潰瘍性大腸炎とはどんな病気?
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症を引き起こす炎症性腸疾患で、指定難病に分類されています。原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的要因や免疫異常、環境要因が関与していると考えられており、診断のためにはさまざまな検査が必要です。
10代から20代の若者にも起こる病気で、主な症状は腹痛、下痢、血便で、再燃を繰り返しやすいのが特徴です。
潰瘍性大腸炎の原因は?
潰瘍性大腸炎は、その原因が未だに完全には解明されていない疾患で、遺伝的要因、免疫系の異常、環境要因などが関与していると考えられています。
特定の遺伝子がリスクを高める一方、腸内の細菌に対する異常な免疫反応が炎症を引き起こすことが示唆されています。
環境要因としては、食生活、ストレス、喫煙などが影響を及ぼすとされています。これらの要因が複雑に絡み合い、腸内の炎症を引き起こすことが潰瘍性大腸炎の発症に寄与しています。
潰瘍性大腸炎の主な症状とその合併症リスク
潰瘍性大腸炎は、原因不明の免疫反応によって腹痛、下痢、血便が起こる疾患です。これらの症状は生活の質を低下させ、重症化するとステロイドなどの治療が必要になることがあります。長期にわたる炎症は腸の損傷や大腸がんのリスクを高め、さらに大腸穿孔や中毒性巨大結腸症といった合併症が発生する可能性もあります。また、皮膚や関節、眼など腸以外の部位にも影響が及ぶことがあります。
潰瘍性大腸炎の主な診断と検査方法
潰瘍性大腸炎の診断には、診断のためにはさまざまな検査が必要な疾患です。
患者さまの症状や病歴を詳しく聞き取ることが診断の第一歩です。次に、血液検査を行い、炎症のマーカーや貧血の有無を確認します。これにより、体内の炎症状態や栄養状態を把握することができます。
続いて、便検査が行われ、感染症の除外や血便の有無を確認します。潰瘍性大腸炎の診断を確定するためには、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査が非常に重要です。大腸カメラを用いて大腸を直接観察し、潰瘍や炎症の程度を評価します。大腸内視鏡(大腸カメラ)検査では、必要に応じて組織を採取し、生検を行います。これにより、病理学的な診断が可能となります。
最終的な診断は、これらの検査結果を総合的に判断して行われます。潰瘍性大腸炎は、症状が他の腸疾患と似ていることが多いため、正確な診断が求められます。適切な診断を行うことで、患者さまに最適な治療方針を立てることが可能となり、症状のコントロールと生活の質の向上に繋がります。
潰瘍性大腸炎の治療
潰瘍性大腸炎の治療は、主に薬物療法が中心で、アミノサリチル酸製剤やステロイド剤で腸の炎症を抑えます。重症例では免疫調節薬や生物学的製剤が使われ、新しい選択肢としてJAK阻害薬も登場しています。薬が効果を示さない場合には、手術療法が検討されます。
治療法は進んでおり、専門外来に適切な加療がありますので、すみやかに専門外来を紹介いたします。原則、当院では加療はしておりません。
潰瘍性大腸炎かどうかわからず不安な場合や、下痢や腹痛、血便などの症状でお悩みの方はぜひご相談ください。
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